dori×Furui Riho、J-POPとK-POPへの憧れを語り合う! 国境を越えたコラボは「夢に近づく一歩」

dori×Furui Riho対談

 韓国のR&Bシーンで活躍する男性シンガーソングライター・doriの初来日ライブに、次世代ミュージックアイコンとして注目を集めるFurui Rihoがゲストとして参加する。国境を越えて気の合うアーティストとコラボレーションするのは珍しくないものの、そこから何か新しいものが生まれる期待感を抱かせるケースはそう多くない。だが、両者は目指すスタイルや美意識の面で共通するところが多く、互いにリスペクトしていることもあって、5月24日の公演当日にどんなサプライズが起きるのか、今から楽しみで仕方がない。当の本人たちも同じようで、ライブに先駆けて実現した今回のオンラインの対談でも、言葉の一つひとつから一緒に歌える喜びが伝わってきたのが印象的だった。(まつもとたくお)

Furui Riho「doriの音楽を聴いて1秒――いや、0.5秒で好きになってしまった」

dori
dori

Furui Riho(以下、Furui):dori、久しぶりだね。元気?

dori:もちろん。こんにちは!

――おふたりが出会ったきっかけは何だったのでしょうか?

dori:以前からJ-POPが好きでSpotifyなどでよく聴いていたんですが、たまたまRihoの作品を聴いて「素晴らしい!」と思ったんです。それでYouTubeで彼女のMVもチェックしてみたら、パフォーマンスも最高だし、ポジティブなバイブスも感じて、すぐに気に入りました。

Furui:私はInstagramでdoriのことを知りました。いろいろな投稿をチェックしていたら、doriの曲がパッと上がってきて。聴いて1秒――いや、0.5秒で好きになってしまったんです。彼の曲を掘っていって思ったのは、メロディの心地好さ。気持ちがよくて、しかも聴くとすぐに頭に残る。自分もそういう曲を意識的に作ってきたので、同じベクトルでやっているアーティストが韓国にいるということに対する喜びやリスペクト、衝撃がありました。音楽的なルーツが一致しているところも、すごくシンパシーを感じましたね。

――実際にどうやってコンタクトしたのでしょうか?

dori:私のライブをサポートしてくれるチームがあるんです。そこに所属するメンバーにRihoのことを説明して「こんなアーティストと交流してみたい」と伝えたら、すぐにコンタクトをしてくれたのが始まりです。まさに運命ですよね(笑)。とにかく彼女のパフォーマンスはかっこいい。3日前もYouTubeで観ましたよ。

Furui:それは嬉しい! ありがとう(笑)!

――おふたりの共通点ですが、個人的にはどちらもはっきりとした発音でメッセージを伝えるということを大切にされているような気がします。

Furui:実は私、もともとは言葉をそれほど重視していなかったんですよ。リズムとかグルーヴを重視しながら、いかにして日本語を日本語っぽくなく聴かせるかを自分の課題にしてきたんですけれども、日本語のよさを理解できるようになってから考え方が変わりました。「やっぱりちゃんと言葉で伝えないといけないな」と思うようになって、ここ数年はクリアな言葉とともに踊れたり乗れたりするサウンドを目指してきたので、そうおっしゃってくださると嬉しいです。

――たしかに「Rebirth」(2019年)をリリースした頃と現在とでは、スタイルが変わっていますね。

Furui:そうですね。歌い方は結構変わっているはずです。

dori「Rihoの音楽を最初に聴いた時、自分の楽曲と似た香りがした」

Furui Riho
Furui Riho

――doriさんは言葉をはっきり伝えるという面では意識されていますか?

dori:私も聴き取りやすい言葉を意識していますが、それ以上に味のある、聴いていると気持ちよくなるような発音を大切にしていますね。

Furui:ふたりとも聞き取りやすいというか、わかりやすいメロディみたいなものが好きなんだと思うんですよ。あとは言葉を詰め込みすぎないとか、歌詞が聴こえやすいとか。グルーヴ感も似ていますし、好きなものや目指すところが同じ。そういうのがもしかしたら共通点なのかもしれません。

dori:Rihoの音楽を最初に聴いた時、自分の楽曲と似た香りがすると感じたのは事実です。日本語の歌詞も気になって翻訳アプリを使って読んでみたら、いい意味で淡白な味わいというか、彼女の歌詞にそういう魅力があることに気づきました。歌とグルーヴィーなトラックのバランスがちょうどいいから、何度も聴きたくなる音楽になっているんじゃないかな。

――Furuiさんが昨年発表したシングル「SAPPORO TOKYO」では、〈結局どこだって自分次第〉というフレーズが印象に残りました。どんな環境にいても進むべき道が分かっていれば大丈夫――。このような感覚があるからこそ、doriさんとの国境を越えた交流がスムーズにできるような気がします。

Furui:そうですね。私は北海道出身で、今は東京を拠点にして活動しているんですけど、どこで暮らしていてもその人のやる気次第、自分がどれだけやりたいかということがいちばん大事だと思っているんですよ。地元で活動している時に一緒にやっていた友達が夢を抱いて東京に行っても、最終的に音楽活動を諦めてしまった。私の場合は北海道に留まっても活動を続けられていたので、結局は自分がどれだけ音楽を愛してやっていけるかが大切なんだと。それがこの曲に込めた思いですね。実は私、韓国に住みたいんですよ!

dori:本当に?

Furui:本当に住みたいよ! 自分ができると思えば、日本以外の国でもできると信じているんです。そういう夢に近づくための一歩として、今回doriとコラボできるのは本当に嬉しいですね。

dori:Rihoが言うとおりだと思う。自分の意思、やる気が最も大事。私は自分の作品を制作するためのスタジオを持っています。もっと大きな空間で、もっといい機材でレコーディングしたいという思いもありますが、環境がよくなったら必ず良い音楽ができるわけではありません。繰り返しになりますが、自分がどんな姿勢でどういう音楽をするかをしっかり考えて行動するのがいちばんです。

Furui:同感です。私も今よりもお金を稼いでもっと大きい家に住みたいって思いますけど(笑)、それよりも大事なのは、いかに音楽を好きでいられるかということ。その気持ちを忘れずに、こうやって好きな人と音楽を作ったり、ライブをしたりする――それが何よりも重要ですね。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる