平野紫耀の歌が進化している――万人に愛される声の持ち主 Number_iの核を担う幅の広さ

平野紫耀、万人に愛される声の根源

 平野紫耀の歌声が進化している。

 昨年リリースされた「GOAT」や「INZM」、今年に入ってからは、5月19日発売の2ndシングルより先行配信されている「GOD_i」、4月16日に配信リリースされたJackson Wang(ジャクソン・ワン)とのコラボ曲「GBAD(Number_i Remix)」を経て、歌声の幅が広がっているように思うのだ。

Number_i - GOAT (Official Music Video)
Number_i - INZM (Official Music Video)

 平野といえば、特徴的なハスキーボイスの持ち主。少しかすれた味のある声を活かし、Number_iの楽曲では主に低音域のパートを担ってきた。2024年にリリースされた「GOAT」「BON」「INZM」のリードトラックではすべて歌い出しを務めており、低めの唸るような歌声に、冒頭から惹きつけられた人も少なくないだろう。そこから、「GOD_i」での深みの増した歌声、「GBAD(Number_i Remix)」のメインパートでの切れ味鋭い歌い方と、リリースを重ねるごとに新しい扉を開いていった印象だ。

Number_i - GOD_i (Official Music Video)

 Number_iが昨年9月放送の『Venue101』(NHK総合)に出演した際には、そんな平野の低音ボイスに関してトークが繰り広げられたこともあった。3人が互いのラップの個性を語り合うなかで、神宮寺勇太が平野を「低音帝王」と表現し、「いちばん低音のところは紫耀に歌ってもらうとかっこいいし、ちょっとざらっとした質感が耳で聴いていて気持ちいいんですよね」とコメント。それに対して平野も、「低音のキャラクターでいきたいなと思って、低音の出し方をいろいろ練習して、研究したので嬉しいです」と明かしていた。発展を遂げていく平野の歌声は、こうした積み重ねによって生まれているものなのだろう。

 Number_iの楽曲では攻撃的なイメージがある一方で、普段の平野の話し声は、その声質もあってか温もりが感じられる。何気ないトーク場面はもちろん、過去2回にわたって『3people 1minute』(日本テレビ系)でMCを務めた際には落ち着いたトーンで、審査前に唱える「次のパフォーマンスを見たいですか?」というフレーズも印象に残るものだった。

 昨年出演したデジタルハリウッド大学の「みんなを生きるな。自分を生きよう。2024」篇のCMでは、平野が先輩役となって、将来に悩む後輩に対してアドバイスを送るシーンがあった。メッセージの内容も平野の生き様と重なる部分があったが、“声”という面で見ても力強く安心感があり、夢に向かって突き進む勇気を与えるというCMのコンセプトとマッチしていたように思う。

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