『キャスター』阿部寛が斬り込む43年前の“因縁” 命がけの報道に宿る下剋上の精神

『キャスター』命がけの報道に宿る下剋上精神

 『キャスター』(TBS系)第8話では43年前の因縁に斬り込んだ(※本記事ではドラマ本編の内容に触れています)。

  茨城県芦根村で山火事が発生し、進藤(阿部寛)は、総合演出の華(永野芽郁)やプロデューサーの山井(音尾琢真)たち(『ニュースゲート』取材班と現場へ向かう。近隣住民が避難する中、老人ホームに入居していた男性が行方不明になった。男性の名前は山井和雄(山本學)で、山井の父親だった。

 芦根村はいわゆる「原子力村」で原子力関連施設が集まっていた。住民は施設への延焼を心配し、原子力燃料再処理センター長の江上(井上肇)は誤解を招きかねないニュース報道に抗議する。芦根村は官房長官だった故・羽生剛(北大路欣也)の地元であり、剛なきあと地盤を継いだ息子の真一(内村遥)と再会した進藤は、コンサルタントの尾崎(谷田歩)を介してGPSの復旧を官邸にかけ合う。

 現場からニュースを発信する山井だったが、父の安否が心から離れることはなかった。鎮火後、和雄はセンターの前にいたところを江上に発見された。山井と会った和雄は、息子が幼かった頃の記憶を思い出す。その様子を目にした進藤は、単独で山の奥へ足を踏み入れる。

 山火事と原子力施設、政治家と地元の有力者。利権の匂いが漂う中で、さらに43年前の自衛隊輸送機墜落との関連性が示唆される。進藤が見入っていた地図から、墜落現場はセンターのある芦根山の中腹だったことがわかる。記憶が回復した和雄は「リーク」と口にする。元センター長だった和雄は再処理センター設立時にマスコミが地元住民にリークし、問題になったことを覚えていたようだ。

 このことは何を意味するのか。秘密を握るのは、江上と羽生の支援者でセンターの親会社である景山重工会長の景山(石橋蓮司)たち一部の人々。江上が何かを隠していると察知した進藤は、和雄が発見された場所へ向かう。そこには隠そうとする人々にとって不都合な真実があるはず。それが芦根村に伝わる黒い噂、景山重工と羽生一族の蜜月であると進藤は見抜いた。

 世の中には踏み込まないほうがいいことがあるのかもしれない。けれども、報道を使命と決めた以上は触れないわけにいかない。進藤にとって、芦根村の疑惑を追うことは父である松原(山口馬木也)の死の謎を解くことでもあった。たとえそれが「過去にとらわれている」ことだとしても。

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